毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
「……茜?木じゃあるまいし、いつまで突っ立ってんだよ。置いてくぞ」

「置いてくぞ……って、え!!一緒に帰っていいの!?」

「どーせ、ダメだっつったところで"同じ方向だから途中まで"とか言ってついてくるくせに」


……あぁ、もう。
私のことをよくお分かりで。


確かにそのつもりだったんだけど!
まさか、大馳もそのつもりでいてくれたなんて、愛しさで胸が張り裂けそう……。


「大馳、本当は私のこと好きなんじゃ」

「ない」


いや……かなり食い気味で来るじゃん。


アメとムチって言葉を知らないの?
たまには、甘くて優しい言葉の1つも囁いて欲しいものだ。


「じゃあ〜、私が卒業するまでには振り向いてね」

「どーせ3年になったら、進路で忙しくて俺なんかに構ってられなくなるって。茜の学力じゃ尚更な」

「それ、どういう意味?」

「工事現場で旗でも振っとけば」

「も──っ!!馬鹿にしすぎ!!」


だけど、毒しか吐かない年下男子に翻弄される毎日も悪くないって思ってしまうほど
、私は大馳に毒されている───。
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