毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
大馳のことだから、きっと人混みが嫌だとか言いたいんだろうけど、ここで負けるわけには行かないのだ!

だって、来年の今頃は進路関係が忙しくて、祭りなんて行ってられないかもしれないし。

そうなると……。
多分これが、大馳と行ける最初で最後の祭りだと思うから。


……何がなんでも行きたいんじゃい!!!



「行ってやればいいじゃん?どうせ大馳くん、さっき振られたばっかりだし」


もう一度、誘おうと口を開いた私は、大馳の隣でニコニコ笑うタケくんの言葉に耳を疑った。


「ふ、振られたって何??」

「大馳、秋祭りは毎年幼なじみちゃんと行ってたんだよね」

「おい、余計なこと言うなタケ!」


タケくんは、大馳の1番仲の良いお友達で、いつもニコニコ優しい笑顔の反面、放つ言葉は中々に意地悪だ。

類は友を呼ぶ───。


大馳とタケくんは、まさにそんな感じ。


ちなみに、大馳が「タケ」と呼ぶから、勝手に私もタケくんと呼んでいるけれど、本名は確かタケルくんだったはず。


「お、幼なじみちゃんってことは……」

「そ、女の子!」


……毎年、秋祭りに一緒に行ってた幼なじみの女の子。


鈍器で殴られたような衝撃って、多分こういう時に使うんだろうな。
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