毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
「考えてもみろよ。俺との待ち合わせの途中で事故に遭ったりしたら、後味悪すぎだろ」


……うっ!そう来たか。
さすが大馳。憎まれ口ばっかり。

だけど、口では素直じゃないこと言いながらも、大馳の事だから本当は心配してくれたんだろうな。

私を見つけるまで、大馳の頭の中はどんな形であれ私のことでいっぱいだったに違いない。


そう思うと緩む頬を隠しきれない。


「も〜素直じゃないんだから♡」


フフフ、と声を漏らして大馳の腕に自分の腕を絡めれば、すかさずその腕を払って1人で先に階段を登り始めた大馳。


───かと思えばすぐに振り返って、


「……?」

「でも、事故に遭った方が茜の為になるかもな」

「どういう意味?」

「事故のショックで、そのポンコツな頭が少しはマシになるかもしれねーだろ」

「……っ!もぉ、大馳〜!!!」


やっぱりサラッと毒を吐く。

毎回、私の反応を見て楽しんでいるらしい大馳に、いつか……いつか私も、とびきりの毒を吐いてやるんだから。


……とは言え、そんな大馳を嫌いには到底なれないんだから不思議。
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