毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
大馳にとって、私は人間ですらないのかと思うと心底悲しいのに、

頭に触れる大馳の大きな手に、私の胸は今、これでもかってくらいドキドキと高鳴っている。


あぁ、我ながらなんて単純……。


「言い返すくらいしろよ、そんな顔されたら悪いことした気分になるだろ」


「何言ったって、口じゃ大馳に勝てないもん」


「……あぁ、確かに。茜、頭の回転カメ並みに遅いもんな」



大馳がふわっ、と笑う。
それだけで、落ち着きつつあった私の心臓が、再び暴れ出す。


あー!!もう、なに!!その笑顔!!

キュン殺!!
死因はときめきすぎだわ、これ。


悔しいかな、これが惚れた弱み。

どんなに毒を吐かれても、それすらも愛のクッションで受け止めてしまう私は、高級ベッドに匹敵する包容力を持っているんだと思う。


「あーもう!好き!」


「あのな……今の流れで、何がどうなったらそうなるわけ?」


「……?普通に、胸がときめいたら、こうなるよね?」


「……はぁ。ほんと、呆れる。年下にこんだけ生意気なこと言われてんのに、いっつもヘラヘラ笑ってるし、俺が言うのもなんだけど、茜には年上としてのプライドとかねぇの?」


……プライド、か。
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