毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
会いに行くねと送ったラインに、短いけれど了解を示す返信が届いた。

たったそれだけで、私は昼休みまでの残りの時間をフルパワーで頑張れてしまうってことを、大馳はきっと知らないんだ。



「うぁ〜……早く会いたい」


机に伏せて、脳内で大馳の笑顔を探す。

……出てくるのは意地悪に笑う大馳ばかりだけれど、それでも私の胸を切なく焦がしていくのだから、お手上げだ。



───コロコロッ


……ん?


突然、自分の机の下に転がってきた消しゴムに気付いて、机の下を覗き込んだ私に、



「澪央ちゃんごめん、消しゴム取ってくれる?」


隣の席の杉浦くんが申し訳なさそうに両手を合わせた。


「はい、どーぞ」


「ありがとう」


「……って、杉浦くんそれ」


「英語の課題だよ。もしかして澪央ちゃん、また忘れた?」


クスッと優しい笑顔を零す杉浦くんは、2年になってから同じクラスになった、優しくて、スポーツ万能、おまけにテストはいつも学年で1位!と言う、とんでもない文武両道ボーイなのだ。


さらに、極めつけはそのルックス。

まるでおとぎ話の王子様を3次元に召喚してしまったかのような、細身の長身。おまけに色白。
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