毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
「ありがとう」とワークを受け取って、大急ぎで写す。


授業が始まるまであと2分。


いつ先生が来るか分からない状況にハラハラしながら、隣から感じる視線にやりづらさを感じる。


「……今回は緊急事態だから写させたけど」


そこまで言って言葉を止めた杉浦くんに、ゾッとする。


……ま、まさか。

次からは見せてくれない???次に忘れてきた時は、今度こそ本当にTHE END?

ついに私は、どこまでも優しさの塊である杉浦くんにまで、愛想を尽かされてしまったらしい。

思わずシャーペンを握る手に力が入る。



「今度から、課題が出る度に俺と一緒にやるってのはどう?」


「…………えっ?」



杉浦くんは、私が想像していた内容とは遥かに違う提案を繰り出して、優しく目を細めた。

私はまさかの提案に驚きのあまり目を見開くけれど、


「そしたら澪央ちゃんが課題を忘れることもないし、俺も楽しいし」



「ね?」とどこまでも杉浦くんは不敵に笑う。


私に課題を教えて楽しい……なんて。杉浦くんはどれだけ勉強が好きなんだ。

さすが、学年1位は言うことが違う。

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