毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
やけにテンションが高いコンツヨの声が、教室の中でよく響く。

そんな中ですら、大馳のことばかり考えてしまう私は、授業中にも関わらずブレザーのポケットからスマホを取り出して、


【今、何考えてた?】


机の下で大馳にラインを送った。


もちろん"茜のこと"なんて返事はくれるはずがないんだけれど。大馳が今、どんなことを考えながら過ごしているのか純粋に知りたくなって……


って、これじゃ変態みたいだ。


とは言え、大馳って意外と小心者だから絶対 授業中に返信が来ることはなさそうだけど。


どうしてだろう。
今、とてつもなく大馳が恋しい。


あの澄んだ瞳に見つめられたい。

あの甘く澄み透る声で名前を呼ばれたい。
この際、猛毒を吐かれてもいい。


……って!!!
これじゃ本当に変態みたいじゃん!!



───ブブッ



授業中には返ってこないと思っていたのに、ブレザーのポケットへしまったばかりのスマホが、短い振動と共にメッセージの受信を知らせた。



───もしかして大馳!?


慌ててポケットからスマホを取り出せば、


「いや、そういう事じゃ……」



液晶画面にポップアップ表示された大馳からの返信に思わず突っこむ。



【二次関数】


どうやら、大馳は数学の授業真っ只中らしい。

大馳のことだから、わざとこんな返しをしたんだろうけど。こんな返信にすら私の心は愛しさでいっぱいになってしまった。



【私は大馳のこと考えてるよ♡】



───送信。
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