毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
とは言え、どうやら俺は毒舌らしく。

少し話せば『イメージと違う』だとか『見た目と中身が噛み合ってない』だとか『かっこいいからって調子乗ってる』なんて言われてんのも知ってた。


……勝手に俺に期待して、勝手に幻滅して離れてく。

控えめに言って、クソ腹立つ。

ま、変に期待されて付き纏われるよりずっと楽っちゃ楽だけど。


「大馳の優しさは分かりづらいんだから、もっと優しく伝えてあげなきゃ!」なんて、幼なじみの美優にいつも言われるけど、


そんなの、美優が分かってくれてりゃそれでいいと思ってた。



───ブブッ


ズボンのポケットで振動するスマホ。
差出人なんて、軽く想像がつく。



「授業中だろ、バカ」


ボソッと小声で文句を呟いて、つい先日も授業中にスマホ使ってんのがバレて没収された俺は葛藤を繰り広げる。


見るべきか?

いや、どーせくだらない内容に決まってんだ。リスクを犯してまで見る必要は……。


黒板に必死に二次関数の数式を書き綴る先生。静まり返った教室の中に、カッカッとチョークが黒板を撫でる音と、シャーペンがノートを掠める音だけが響く。
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