毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
スルッとズボンのポケットに手を滑らせ、素早くスマホを引き抜いた俺は、机の下でスマホのホームボタンを押した。


液晶画面に表示されるメッセージ。
差出人はやっぱり、茜だ。


───しかも。


【今、何考えてた?】


……やっぱりくだらねぇーー!!!

俺がこんだけのリスクを犯してまで見てやったのに、何考えてた?って。


授業中だ、バカか!!

どうせアイツの事だから"お前のこと"とか言うクサい返事を求めてるんだろう。


悪いけど。
今の今まですっかり忘れてたわ。

片手で素早く文字を打って、迷わず送信ボタンを押した俺。


【二次関数】


すぐに既読がついて、ずっとトーク画面開いてんのかよって呆れつつ、授業ちゃんと聞いとけよって……やっぱり呆れる。


俺の返信に"そういう事じゃない"って茜は思ってそうだけど。茜をまともに相手してたら、俺のキャパなんてあっという間に超える。


【私は大馳のこと考えてるよ♡】


「っ、ゴホッ……ゴホッ……」


「……どうした周、風邪でも引いたか?」


「やっ、大丈夫です」


「季節の変わり目だからな。みんな、ちゃんと手洗いうがいしろよー」


それだけ言って視線を黒板へと戻した先生。


トーク画面を開いたままだった俺は、冷や汗をかきながらも、机の下で握りしめていたスマホに気付かれなかったことに心底ホッとした。


茜から届いた返信に思い切りむせた。
……ほんっと、ド直球。


とりあえずアイツ。



【後でシバく】


送信───。
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