毒舌年下BOY♂に愛を叫べ【仮】
***


私が大馳に出会ったのは、半年前。
満開の桜が咲き誇る、入学式の日。


「相原美優です」


「えっと……相原美優さんですね。この度はご入学おめでとうございます!入学式の会場となっている体育館は、この先の突き当たりを左折してすぐです」


「ありがとうございます」


2年に進級した私は、担任のコンツヨ(近藤ツヨシ先生)によって、入学式の受付係に任命され、マナと2人で朝からそれはそれは忙しく過ごしていた。


生徒玄関へ続々とやってくる新入生の名前を、あらかじめコンツヨから渡されていた名簿で確認して、


「おめでとうございます」と笑顔で頭を下げた後、新入生の真新しい制服の胸元に赤い花のブローチを留める。


そんな一連の流れを、何度も何度も繰り返して、チェックが入っていない名簿の名前が残り半分を切った頃。


「周 大馳」


名簿に視線を落としていた私に、突然聞こえてきた甘く澄み透る声。

声の主を見るまでもなく、なぜか胸が───ドクンッ、と音を立てた。


そして、ゆっくりと視線を上げた私は思わず息を呑んだ。

整えられた細すぎない眉、
羨ましいくらい綺麗な二重、
すーっと通った高い鼻、
薄くて形のいい唇。
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