君に心を奪われて
今日は月曜日なのでみんな同じ時間に帰れる。私は重い荷物を背負いながら玄関まで走って行った。
玄関に行くと、翼が他の男子と話していた。すると、翼が急に後ろを振り返って私を捉えた。
「花菜、帰ろ?」
翼が優しく私に微笑んだ。私が頷くと、翼は手を差し伸べた。私のその手を重ねて、一緒に歩いた。
たくさんのもみじが風にふわりと舞い上がり、私達の前を通り過ぎた。
君に出逢えて良かった。
君と結ばれて良かった。
君の心を奪われたあの時のことを覚えている。
何度でも思うよ。君に出逢えて良かったって。
君が大好きだって、ずっと思うよ。