転生少女が落ちたのは、意地悪王子の腕の中~不器用な溺愛は何よりも甘いのです~
お礼をしなくちゃ、と言われてユリーナに連れて来れられたのは森を抜けた所にある小さな村だった。
ユリーナは村の皆に挨拶をしながらその間を抜けていく。村の人達もヨーロッパ系の顔立ちをしているし、黒や焦げ茶色の髪や瞳の日本人っぽい人は見かけない。
ユリーナに手を引かれながら歩いていると、誰だ誰だ、と視線を集めているのがわかっていたたまれなくなる。
「い、いいよユリーナお礼なんて。森を抜ける道を教えてくれただけで十分。私そんなつもりでやったんじゃ……」
「怪我を治してもらったんだもん。良いことをして貰ったらお礼をちゃんとしなさいってお兄ちゃん言ってた!」
「お兄ちゃんがいるの?」
「うん。一緒に住んでるんだよ」
「そうなんだ……」
歳が近いといいな、と思う。そしてできればこの国に精通している人物であると尚良い。
「お兄ちゃんただいま!」
ユリーナが扉を開けると、中からおかえり、と声がした。結構低い声だ。
「ユリーナ?入ってこないのかい……この人は?」
家から出てきたのはユリーナと同じ栗色の髪に、彼女よりほんの少し明るい藍の瞳をした青年だった。優しそうな垂れ目が印象的だ。背は私より頭一つ分くらい大きくて、歳は……同じか少し上のように見える。
「あのね、このお姉ちゃんがね、ユリーナの怪我治してくれたの!だからお礼しようと思ってね」
「待て待てユリーナ、ちょっと状況がわからないんだけど……」
ちらっとこちらに遠慮がちな視線を感じたので口を開く。
「私は楠舞花といいます。森で倒れていた所をユリーナに助けられて……ええっと、なんか……」
なんと説明すれば良いのかわからず口篭ると、青年は警戒を解いた様子で中を手で示した。
「立ち話もなんだし、取り敢えず入って」
ユリーナは村の皆に挨拶をしながらその間を抜けていく。村の人達もヨーロッパ系の顔立ちをしているし、黒や焦げ茶色の髪や瞳の日本人っぽい人は見かけない。
ユリーナに手を引かれながら歩いていると、誰だ誰だ、と視線を集めているのがわかっていたたまれなくなる。
「い、いいよユリーナお礼なんて。森を抜ける道を教えてくれただけで十分。私そんなつもりでやったんじゃ……」
「怪我を治してもらったんだもん。良いことをして貰ったらお礼をちゃんとしなさいってお兄ちゃん言ってた!」
「お兄ちゃんがいるの?」
「うん。一緒に住んでるんだよ」
「そうなんだ……」
歳が近いといいな、と思う。そしてできればこの国に精通している人物であると尚良い。
「お兄ちゃんただいま!」
ユリーナが扉を開けると、中からおかえり、と声がした。結構低い声だ。
「ユリーナ?入ってこないのかい……この人は?」
家から出てきたのはユリーナと同じ栗色の髪に、彼女よりほんの少し明るい藍の瞳をした青年だった。優しそうな垂れ目が印象的だ。背は私より頭一つ分くらい大きくて、歳は……同じか少し上のように見える。
「あのね、このお姉ちゃんがね、ユリーナの怪我治してくれたの!だからお礼しようと思ってね」
「待て待てユリーナ、ちょっと状況がわからないんだけど……」
ちらっとこちらに遠慮がちな視線を感じたので口を開く。
「私は楠舞花といいます。森で倒れていた所をユリーナに助けられて……ええっと、なんか……」
なんと説明すれば良いのかわからず口篭ると、青年は警戒を解いた様子で中を手で示した。
「立ち話もなんだし、取り敢えず入って」