転生少女が落ちたのは、意地悪王子の腕の中~不器用な溺愛は何よりも甘いのです~
「でも、色々考えちゃうのはむしろ私の方だと思います。もしトラックに轢かれなかったら、もし転生しなかったら、もしこの力を持っていなかったら……これまでのどれか一つでも欠けていたら、きっと私たちは隣にいなかったから。
それくらいに、私たちは結ばれるはずのない2人だったから」
グイードは私の心の内を見透かそうとするかのようにじっと動かないでしばらく黙っていた。大きく肩で息をすると徐に口を開く。
「“もし”なんてない。起こったことは全てそうなる運命だった。
結ばれる可能性が限りなく低かったのなら、俺達は細い細い道を一度も間違いなく辿ってお互いを見つけたんだ。それが運命でなければ何だっていうんだ?」
恥ずかしかったのか、ほんのりと顔が赤くなる。それでも私から視線は逸らさない。
「運命……か……」
これは困った。そこまで言われては、もうあんな風にぐだぐだと言えなくなってしまうではないか。
……仕方ない、認めよう。
私がこうしてあなたに会うのは、あなたに惹かれるのは、あなたと恋に落ちるのは────全て運命であったと。
あれだけ悩んだのに運命と一括りにされては釈然としない気持ちはあるけれど、それ以上にぴったりと当て嵌る言葉はきっとない。
私たちは、世界を超えて互いを引き寄せあったのだ。
「……あなたは私に生きたいと思える場所をくれた。生きる目的を与えてくれたんですよ」
それは何かと、そうたずねてくる視線に笑いかけた。
「いつまでもあなたのそばで、あなたを笑わせていたい。あなたが傷ついたら、私が癒してあげたいと思う。体も……心も」
心は力では癒せないかもしれない。でもあなたが苦しい時は、私がいつも寄り添っていたいと、そう思う。
グイードは目を見開くと、嬉しそうに白い歯を見せた。
「では俺は、そんなお前を一生離さないと誓ってやろう」
そう言って、軽々と私の体を抱き上げた。驚く私を楽しそうに見つめながらくるくると回る。
もう翳りはない、歓びに煌めくアガットの瞳を見て、私は愛おしくてキスを落とした。
「好きですよ、グイード。これからもずっと」
「ああ────俺もだ」
グイードが私を強く強く抱きしめる。そして出会った時からずっと好きな、あのくしゃりとした笑顔で囁いた。
「舞花、愛している」
―了―
それくらいに、私たちは結ばれるはずのない2人だったから」
グイードは私の心の内を見透かそうとするかのようにじっと動かないでしばらく黙っていた。大きく肩で息をすると徐に口を開く。
「“もし”なんてない。起こったことは全てそうなる運命だった。
結ばれる可能性が限りなく低かったのなら、俺達は細い細い道を一度も間違いなく辿ってお互いを見つけたんだ。それが運命でなければ何だっていうんだ?」
恥ずかしかったのか、ほんのりと顔が赤くなる。それでも私から視線は逸らさない。
「運命……か……」
これは困った。そこまで言われては、もうあんな風にぐだぐだと言えなくなってしまうではないか。
……仕方ない、認めよう。
私がこうしてあなたに会うのは、あなたに惹かれるのは、あなたと恋に落ちるのは────全て運命であったと。
あれだけ悩んだのに運命と一括りにされては釈然としない気持ちはあるけれど、それ以上にぴったりと当て嵌る言葉はきっとない。
私たちは、世界を超えて互いを引き寄せあったのだ。
「……あなたは私に生きたいと思える場所をくれた。生きる目的を与えてくれたんですよ」
それは何かと、そうたずねてくる視線に笑いかけた。
「いつまでもあなたのそばで、あなたを笑わせていたい。あなたが傷ついたら、私が癒してあげたいと思う。体も……心も」
心は力では癒せないかもしれない。でもあなたが苦しい時は、私がいつも寄り添っていたいと、そう思う。
グイードは目を見開くと、嬉しそうに白い歯を見せた。
「では俺は、そんなお前を一生離さないと誓ってやろう」
そう言って、軽々と私の体を抱き上げた。驚く私を楽しそうに見つめながらくるくると回る。
もう翳りはない、歓びに煌めくアガットの瞳を見て、私は愛おしくてキスを落とした。
「好きですよ、グイード。これからもずっと」
「ああ────俺もだ」
グイードが私を強く強く抱きしめる。そして出会った時からずっと好きな、あのくしゃりとした笑顔で囁いた。
「舞花、愛している」
―了―