ただ好きだから


「いいから着替えろ」


社長は私の前まで歩いてくると、私の着ていたティーシャツをグイっと引っ張ってくる。



「ちょっ!何するんですか!」



「手伝ってやろうか」


「いいです!大丈夫です!着替えますから!!」



手伝うって何!どういう事!!


てゆうか社長ってこんなイジワル俺様キャラだったの?もう心臓爆発するから本当やめて欲しい!!


「なら早くしろ」


出て行った社長と東堂さんの背中を見つめながら、受け取った紙袋を開くとそこに入っていたのはやっぱり趣味の良い高級そうな洋服。



とりあえず早く着替えて帰ろう。
すぐ帰ろう。



きっとさっき社長が言っていた意味の分からない言葉もあれは夢だから。帰って寝たらきっと夢だったってなるはずだから。
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