ただ好きだから



少し勢いをつけて振り向いたせいか、頭はグワンと回転し足元がフラつく。


見たいモノと、見えているモノはまるで違くて遠く感じる。


遠くでは大和先輩や部長達の「椎名さん!!」と呼ぶ声。


あぁ、気持ち悪い…胸がムカムカする。



私どうなってるんだ?なんて思うヒマも無く…目の前にあったものを支えにただ必至に倒れていく自分の身体を戻そうと何かを掴んだのだけは覚えている。


そして、そこで私の意識は途絶えた…

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