ただ好きだから
ダボっとした大きな白いティーシャツは絶対にわたしの物ではなくて…というか着替えた覚えすら無い。
しかも…ティーシャツが太ももまできているからか、ズボンは履いていなくてシャツ一枚のみ。
「え…記憶喪失…?」
「そんなわけないだろ」
唖然とそんな事を考えながらティーシャツをジッと見つめていると、後ろから聞こえてきたそんな声にビクっと全身を揺らした。
だって、誰かの声なんてするわけがないんだから。
私は一人暮らしで、もうここ何ヶ月も他人をここへは入れてない…
それなのに声がするってことは。