ただ好きだから



ダボっとした大きな白いティーシャツは絶対にわたしの物ではなくて…というか着替えた覚えすら無い。



しかも…ティーシャツが太ももまできているからか、ズボンは履いていなくてシャツ一枚のみ。



「え…記憶喪失…?」


「そんなわけないだろ」



唖然とそんな事を考えながらティーシャツをジッと見つめていると、後ろから聞こえてきたそんな声にビクっと全身を揺らした。



だって、誰かの声なんてするわけがないんだから。


私は一人暮らしで、もうここ何ヶ月も他人をここへは入れてない…



それなのに声がするってことは。

< 7 / 66 >

この作品をシェア

pagetop