ただ好きだから



ていうか…何で社長!?


しかも上半身裸。



私はバッと自分の着ているティーシャツを見てから、今だにこっちを見つめている社長を見た。


も…もしかしてこの服って社長の…?


え、ていうことは…



「ここ、社長の家…?」



脳内で考えていた事がポロリと口からこぼれ落ちて行く。



「椎名 凛津(りつ)25歳、うちの会社に入社して三年目」


ゆっくりと話し出した社長は面倒くさそうに上体を起こすとそう口を開いた。


「お前、昨日の事何にも覚えてないわけ?」



え…覚えてない…?

いや、途中までは覚えている。



だけどあそこからどうしたらこんな流れになるかなんて、どう考えても思いつくはずなくて…


ていうか、自分の会社の社長と関わる事なんて今だ一度もなかったのに…



こんな、こんな状態に頭がついていけるはずもなく…



上半身裸の社長、そして何故かメンズもののティーシャツを一枚だけ着てる私といったらこんな事しか思いつかなくて…



「私達…身体の関係を持ってしまったん…ですか…?」
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