【先生×生徒シリーズ】優しい月 暗い海─私と先生─
「それから…俺は人を愛することも止めた。
笑うことも。生徒との間に壁を作った。
俺はあいつと子供を殺したようなもんなんだよ。
それなのに、俺はのうのうと生きて教師を続けている。
こんな卑怯な男でも、きみは俺のことが好きって言えるか?」
先生にそんな過去があったなんて…。
あの写真の中の先生は笑っていた。
見たこともない笑顔。
爽やかな笑顔。
本当に楽しそうに笑ってた。
あの頃の先生には、温かい血が流れていた。
秋の夜風が、カーテンを揺らす。
冷たい風が部屋の中を包む。