限定なひと
「のど、かわいた」
なんだか子供みたいだ。
「そっか」
俺も起き上る。
「ミネラルウォーターならあるけど、それでいい?」
俺の胸にこつんと彼女は頭を当てると、小さく頷く。
「じゃあ、取ってくるから」
眼下の旋毛にキスを落として動き出そうとしたその時、俺の腕を彼女の華奢な指がくいっ、とひっぱる。
「……ありがと」
いいよこれくらい、と返すと、何故か頭を左右に振りながら、彼女がまたしても言う。
「……それでも、ありがとう」
言葉の意図がわかったから、彼女の頭をくりくりとなでて、俺も答える。
「この程度でいいなら、いくらでも、何度だって上書きしてやるよ」
こくりと頷くその人を、閉じ込めるように抱きしめる。
もう二度と、誰にも踏み込ませたりはしない。今もこれからも、過去だってそうだ。
「だからさ、ずっと俺だけの、特別なひとでいて、ね?」
反応の薄さに少しばかり不安を感じて、そっと彼女を見下ろすと、彼女は微笑んだまま、またしても微睡に戻っていた。
なんだか子供みたいだ。
「そっか」
俺も起き上る。
「ミネラルウォーターならあるけど、それでいい?」
俺の胸にこつんと彼女は頭を当てると、小さく頷く。
「じゃあ、取ってくるから」
眼下の旋毛にキスを落として動き出そうとしたその時、俺の腕を彼女の華奢な指がくいっ、とひっぱる。
「……ありがと」
いいよこれくらい、と返すと、何故か頭を左右に振りながら、彼女がまたしても言う。
「……それでも、ありがとう」
言葉の意図がわかったから、彼女の頭をくりくりとなでて、俺も答える。
「この程度でいいなら、いくらでも、何度だって上書きしてやるよ」
こくりと頷くその人を、閉じ込めるように抱きしめる。
もう二度と、誰にも踏み込ませたりはしない。今もこれからも、過去だってそうだ。
「だからさ、ずっと俺だけの、特別なひとでいて、ね?」
反応の薄さに少しばかり不安を感じて、そっと彼女を見下ろすと、彼女は微笑んだまま、またしても微睡に戻っていた。