臆病な背中で恋をした ~2
 夜はいつもみたいにパジャマ代わりのシャツを着て。ベッドに一人潜り込む。わたしを包(くる)む、大きくて袖も長い亮ちゃんのシャツ。一緒にいるみたいで、切ないけどほっとして落ち着く。
 
 目を閉じて。ゆっくり躰の力を抜いていく。
 不安とか惑いとか。弱くなってるものを解いて・・・結び直す。
 

 ここで待つことが、わたしと亮ちゃんを繋ぐ唯一の糸だから。

 どんなに細くてその先が見えなくても。

 切れたりはしないって・・・信じてる。



 瞼の裏に亮ちゃんの顔を思い浮かべようとして、次第に微睡んでく。胸の中でおやすみなさいを言ったか言わないうちに、すとんと眠りに引き込まれていた。





 夢でも見たのか、途中で浅く醒めた気もする。
 朝を迎えて、一人で包まる柔らかい羽根布団も部屋の空気も、何も変わっていなかったから。起き出して洗濯する為に、ベッドのシーツを丸めた。 
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