臆病な背中で恋をした ~2
赤信号に差し掛かり、ゆっくり減速した車に軽く制動がかかる。
わたしは言葉の先に在るものを探してその横顔に目を凝らす。亮ちゃんは自分に言い聞かせながら、手探っているようにも見えて。辿り着くまで黙って待とう。そんな思いでいた。

「・・・津田といるのは、俺のためか」

まるで散らばったピースを当てはまるところから埋めてくみたいな、唐突な質問が次いで。戸惑いつつも言葉を考えながら答える。

「そうすれば亮ちゃんはわたしを放っておけなくて、簡単にいなくなったりしないって思って・・・」

「・・・・・・そうかもな」

言うと、苦そうな困ったみたいな笑みが微かに口許に滲んだ。

「津田の側に置いておく方がよっぽど気掛かりだからな」

呟きが聴こえたと思ったら青信号に変わり、エンジンの音が低く呻って、意味を訊きあぐねたのだった。
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