臆病な背中で恋をした ~2
わたしにピッタリ・・・って。目を二、三度瞬かせる。
津田さんはこっちに横目を向け淡々と。

「家具付き食事付き、送り迎えとボディーガード付き、それと光熱費込みで月5万だ。優良物件だろ」

「???」

そんな物件がどこに? 
 
「俺のマンションに一緒に住めって言ってんだよ。理解できたか?」

「!!!!!」

思いっきり目を丸くして。絶句したまま固まってるわたし。
やっとのことで思考回路が回り出したけど、今回ほど突拍子もなく驚かされたことはない気がする。

「・・・・・・あのそれはちょっと、多分(亮ちゃんが)無理って思うんですけど・・・」

さすがに遠回しに断ったのに。津田さんは何も言わずに立ち上がって「挨拶に行くぞ」とわたしを促しただけだった。
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