臆病な背中で恋をした ~2
お昼をまたいで2時前に新年会はお開きになった。

「行くぞ」

クロークに預けてあったコートを受け取り、津田さんに手を引かれてホテルを出る。

会社近くの狭い月極駐車場にメタリックブルーの彼の車が停まっていた。大人しく助手席に納まり、走り出してからしばらくして気掛かりを口にしてみた。

「あの亮ちゃんは・・・?」

こっちを一瞥した津田さんは素っ気なく答える。

「あんたを放っとくわけが無いだろ」

亮ちゃんがいるならどこでも平気。あからさまにホッとしたのが伝わったのか、呆れたような、一言いいたそうな空気を感じて目線で問い返せば。

「・・・一番面倒みてるのは誰だと思ってる」

理不尽そうに横目で睨まれて、言葉に詰まった。

・・・・・・えぇと多分それは、津田さんです。
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