Project Novel
●ふかふかベッド
……………
彼の手は温かかった。
あたしはいつも斜め後ろ。このポジションが、一番好き。
―もうすぐ着く?
聞いてもはぐらかしてばっかりで、でも鼻先に微かに潮の香りを感じるから、実はちょっとだけ予想できてて。
しばらく歩くと海が見えた。
もちろん透けるような鮮やかなブルー。
緑爽やかな丘の上には、小さな可愛いコテージもある。
―あそこ?
はしゃいで聞くと、彼は少し振り向いて微笑んだ。
コテージの中は木の香り。
テーブルの上には色とりどりのフルーツに、窓を開ければ潮風と目の覚める様な青のコントラスト。
―雑誌で見たまんまだね!
満足した?彼が聞くから、大きく頷く。