クールな御曹司の本性は、溺甘オオカミでした
「もしかして、雷が苦手ですか?」
私の横に片膝をついて、千石くんが覗き込んでくる。
「少しね」
答えた声も情けなく震えていた。本当は『少し』なんてものじゃない。雷はめちゃくちゃ苦手だ。
小学生の時、友達との下校中に目の前の木に雷が落ちたことがある。私たちは無事だったけれど、轟音と衝撃にそろって転び、恐怖で大泣きしているところを近所の家に保護された。それ以来、雷が鳴り鳴ると背筋に冷たいものが走り、手が震えてしまう。
もちろん、普通に生きてれば雷くらい遭遇する。勤務中に外は雷雨なんてことも何度もあった。そんな時は、オフィスの窓から極力離れ、深呼吸。耐えきれない時は窓のないトイレや会議室に逃げてやり過ごしてきた。みんなの前でキャーキャー言えないし、情けなく怯えているところも見せられない。
今夜の豪雨も最初から警戒はしていた。でも仕事が避けられなかったし、一応ミーティング前までは雷予報専用アプリでチェックしていた。アプリでは近々の一時間は雷の予報は出ていなかったのに!こんな大きな雷が不意打ちでくるなんてひどい。
「平気よ」
強がって立とうとするけれど、足腰に力が入らない。千石くんの前でカッコ悪いところを見せたくない。
すると三度目の大きな雷がビルを揺らすほどの轟音で鳴り響いた。
「キャアッ!」
思わず叫んでしまった。すると、千石くんがためらいなく私を抱き寄せた。
私の横に片膝をついて、千石くんが覗き込んでくる。
「少しね」
答えた声も情けなく震えていた。本当は『少し』なんてものじゃない。雷はめちゃくちゃ苦手だ。
小学生の時、友達との下校中に目の前の木に雷が落ちたことがある。私たちは無事だったけれど、轟音と衝撃にそろって転び、恐怖で大泣きしているところを近所の家に保護された。それ以来、雷が鳴り鳴ると背筋に冷たいものが走り、手が震えてしまう。
もちろん、普通に生きてれば雷くらい遭遇する。勤務中に外は雷雨なんてことも何度もあった。そんな時は、オフィスの窓から極力離れ、深呼吸。耐えきれない時は窓のないトイレや会議室に逃げてやり過ごしてきた。みんなの前でキャーキャー言えないし、情けなく怯えているところも見せられない。
今夜の豪雨も最初から警戒はしていた。でも仕事が避けられなかったし、一応ミーティング前までは雷予報専用アプリでチェックしていた。アプリでは近々の一時間は雷の予報は出ていなかったのに!こんな大きな雷が不意打ちでくるなんてひどい。
「平気よ」
強がって立とうとするけれど、足腰に力が入らない。千石くんの前でカッコ悪いところを見せたくない。
すると三度目の大きな雷がビルを揺らすほどの轟音で鳴り響いた。
「キャアッ!」
思わず叫んでしまった。すると、千石くんがためらいなく私を抱き寄せた。