クールな御曹司の本性は、溺甘オオカミでした
「イエス以外、答えは欲しくないんですけど」
「もう、イエスだってば」
私は目の前の孝太郎の頭を勢いよく掻き抱いた。
「驚いたし、もうああいうのは絶対嫌だけど、……プロポーズはお受けします。それは本当」
「ありがとう、真純さん。幸せにします」
わずかに身体を離すと、孝太郎が私の左手を取った。薬指にリングをはめてくれる。カットされた大振りのダイヤモンドのついたリングはサイズぴったりだ。いつの間に調べたのだろう。
見つめ合うと嬉しさが溢れる。彼も私も裸で、世界には今、ふたりしかいない。私たちはどちらからともなく抱き合った。
孝太郎がぎゅうぎゅうと抱き締めてくる。抱擁の強さが心地いい。
その手がもぞもぞと私の背を這いだした。指先が背骨をたどり、尾骨へ。触れ方の意味に、焦って耳元でささやく。
「孝太郎、もう、した」
「足りない」
「明日、会社……」
「会社まで送ります」
止められそうもないみたいだ。ああでも、私だって彼がほしい。ずっと遠距離恋愛だった分、私も彼もお互いの熱が足りない。まだまだお互いがほしくて狂いそう。
「もう、困ったなあ」
困ってなんかいないくせに言う私、孝太郎が微笑んでささやく。
「結婚したら、毎晩ですから。体力つけてください」
「嘘でしょう」
毎晩、なんて抱きつぶされてしまいそう。
何度目かのキスを交わしながら、私たちはベッドに深く沈み込んでいった。バラの花束がベッドから転げ落ち、真っ赤な花弁が夢みたいに舞い上がった。
(おしまい)
「もう、イエスだってば」
私は目の前の孝太郎の頭を勢いよく掻き抱いた。
「驚いたし、もうああいうのは絶対嫌だけど、……プロポーズはお受けします。それは本当」
「ありがとう、真純さん。幸せにします」
わずかに身体を離すと、孝太郎が私の左手を取った。薬指にリングをはめてくれる。カットされた大振りのダイヤモンドのついたリングはサイズぴったりだ。いつの間に調べたのだろう。
見つめ合うと嬉しさが溢れる。彼も私も裸で、世界には今、ふたりしかいない。私たちはどちらからともなく抱き合った。
孝太郎がぎゅうぎゅうと抱き締めてくる。抱擁の強さが心地いい。
その手がもぞもぞと私の背を這いだした。指先が背骨をたどり、尾骨へ。触れ方の意味に、焦って耳元でささやく。
「孝太郎、もう、した」
「足りない」
「明日、会社……」
「会社まで送ります」
止められそうもないみたいだ。ああでも、私だって彼がほしい。ずっと遠距離恋愛だった分、私も彼もお互いの熱が足りない。まだまだお互いがほしくて狂いそう。
「もう、困ったなあ」
困ってなんかいないくせに言う私、孝太郎が微笑んでささやく。
「結婚したら、毎晩ですから。体力つけてください」
「嘘でしょう」
毎晩、なんて抱きつぶされてしまいそう。
何度目かのキスを交わしながら、私たちはベッドに深く沈み込んでいった。バラの花束がベッドから転げ落ち、真っ赤な花弁が夢みたいに舞い上がった。
(おしまい)