クールな御曹司の本性は、溺甘オオカミでした
「責任は私にあります。チェック機能を果たせていませんでした」
「営業だってチェックしてるはずなのに見落としてるんだから、うちのチームばかりが悪いんじゃないよ。フランス語訳も外注しちゃったからね。仕方ない部分が大きいよ」
穏やかな野口課長は私たち全員をどうにか落ち着かせ慰めようと必死だ。この人は仕事ができる方じゃないが、気が優しく部下が好きなのだ。
「ひとまず、社長がラ・マレ側と話しに行くらしいから。それで沙汰を待とう。大丈夫、難癖つけてるのはあっちだから。トップ同士が話せばまとまるさ」
「申し訳ありませんでした!」
法務労務チームの面々が再び頭を下げ、私は責任で胸がぎゅっと痛む。
「須原くん、本当にごめんね。あなただけのせいじゃないから」
デスクに戻った須原くんに声をかけると、目の縁を赤くした彼が困ったように私を見上げてくる。
「すみません。阿木さんの仕事に泥塗るような真似をして」
「違うの。私が見落としたのが悪い」
情けない。私のせいで部下が責任を感じている。私がしっかりしていれば防げたのに。
さらに気まで使わせてしまっている。
でも、あからさまに凹んだ顔をしたら、モチベーションに関わる。
私は顔を上げ、チームのみんなに声をかけた。
「よし、頭切り替えていこう!ミスは仕方ない。それを見つけてなくせるようにみんなで協力するよ!」
はい!と力強い声が返ってくる。
私がしょんぼりするのはやめよう。仕事のミスは仕事で取り返さないと。
「営業だってチェックしてるはずなのに見落としてるんだから、うちのチームばかりが悪いんじゃないよ。フランス語訳も外注しちゃったからね。仕方ない部分が大きいよ」
穏やかな野口課長は私たち全員をどうにか落ち着かせ慰めようと必死だ。この人は仕事ができる方じゃないが、気が優しく部下が好きなのだ。
「ひとまず、社長がラ・マレ側と話しに行くらしいから。それで沙汰を待とう。大丈夫、難癖つけてるのはあっちだから。トップ同士が話せばまとまるさ」
「申し訳ありませんでした!」
法務労務チームの面々が再び頭を下げ、私は責任で胸がぎゅっと痛む。
「須原くん、本当にごめんね。あなただけのせいじゃないから」
デスクに戻った須原くんに声をかけると、目の縁を赤くした彼が困ったように私を見上げてくる。
「すみません。阿木さんの仕事に泥塗るような真似をして」
「違うの。私が見落としたのが悪い」
情けない。私のせいで部下が責任を感じている。私がしっかりしていれば防げたのに。
さらに気まで使わせてしまっている。
でも、あからさまに凹んだ顔をしたら、モチベーションに関わる。
私は顔を上げ、チームのみんなに声をかけた。
「よし、頭切り替えていこう!ミスは仕方ない。それを見つけてなくせるようにみんなで協力するよ!」
はい!と力強い声が返ってくる。
私がしょんぼりするのはやめよう。仕事のミスは仕事で取り返さないと。