月光


体がふわふわするし、熱い。


結局、あの後私はサーブをミスできて、どうにか終えられた。


これで午前の授業は終わりだから、あとは午後を頑張ればいい。


昼休みは図書館とか静かなところにいればいい。


「見てたよー!

華夏、めっちゃ入っていた!」


「自分でもびっくりした。」


「先生も驚いてたよ。」


二階から四階までこれから上がらないといけない。


今の私には無限階段にしか見えない。


体調不良を悟られないようになるべく普通に歩く。


普通とはなんと疲れるものか!


上を見ると、まだ三階だった。


「体育のあとのこの階段はきついわー。」


「ほんと、それ。

疲れる。」


なんとか上りきると、少し元気が湧いた。


だからといってこの具合の悪さが治ったわけではないけれど。


「ご飯食べようよ。」


「あーごめん、今日は私、ちょっと集まりがあって。」


「部活か。」


「ううん、委員会の。」


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