月光
「そうなんだ、なんか顔色悪いけれど、大丈夫?」
「うん、ちょっとふらつくけど。
珍しく動きすぎたかも。」
「そっか、行ってらっしゃい。」
教室を出ると、食欲なんて一ミリも湧かなかった。
気持ち悪いし、もう今すぐにでも横になりたい。
どうにか図書館に入ると、自習室にこもって机の上に突っ伏していた。
そして、そのまま司書さんに起こされるまで私は眠っていた。
目を覚ますと、寝る前よりも体調が悪化している気がした。
もっとふらふらする。
「華夏!……大丈夫?顔、赤いよ!」
……雅がいる。
「うん、一応。
あと二時間だけだからもう少し頑張る。」
「……そう?具合悪くなったらすぐに言わないといけないからね?」
「うん、ありがとう」
授業が始まると、あと二時間が永遠に終わらないような辛さばかり感じていた。
今日の家庭科は、話を聞くだけの二時間だから寝ていればいいと思ったけれど、思うように眠れない。