月光


「あー、インフルだね。B型だよ。

とりあえず、最低五日間は安静にして、熱が下がって二日経てば学校行っていいよ。」


この時期だからとは思ってはいたけれど、まさか今年感染するとは思わなかった。


「……分かりました」


診察室を出て、お母さんの所に行くと、知り合いのお母さんと会話していた。


「あ、華夏。どうだった?」


「インフル。」


「薬は貰っていってあげるから、先帰ってな。」


よそ行きの笑顔を浮かべながら言うから、何だか落ち着かない。


「……うん」


外に出ると、寒い。


星が一つ見える。


……雅、一人か。多分大丈夫だろうけれど。


校外学習で一緒に回った真奈美ちゃんのところに入れてもらう気がする。


うざいはずなのに、一番に考えていて笑える。


朝食しか食べていないのに、吐いた。


布団に入ってもなかなか寝付けず、しばらくの間、起きていた。


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