月光
あれからきっかり三日で熱は下がり、明日から登校出来る。
「ちょっと散歩してくる。」
「熱がぶり返さない程度にねー」
「分かってる。
そんなにかからないと思うから。」
窓を掃除しているお母さんはあまり聞こえていないらしく、何も返ってこなかったから外に出た。
久しぶりの外は、気持ちいい。
一瞬どこへ行こうか迷って、結局目の前にある河川敷に行こうと決めた。
午前のこの時間は、お年寄りか子連れのお母さんくらいしかいない。
芝生に座ると、まだ冬の寒さが残っている。
横になると、太陽を全身に浴びられて温かい。
「ねえ」
最初は誰かを呼んでいるのだと思った。
「あんた、こんな所で何してんの?
芝生に寝そべって。」
……それって私しかいないじゃん。
「……なんですか?」
「うわ、起きないのか。
変なやつ。」
「……誰?」
「あんたと同じ、学校に行ってない人。」