月光
「あ、華夏!」
「おはよ、ユキ。」
「うわあー、久しぶり!」
「まさか今年感染するなんて思わなかったよ。」
「うちはピンピンしてるからね!」
「ユッキーはめっちゃ元気だよ!」
ユキと仲の良いミオが言う。
久しぶりの学校で気分がハイになっていたのか、いつもよりも口が滑らかに動く。
笑い合っていると、後ろから衝撃が走った。
「わっ!」
「おはよ、華夏!」
「おはよ、雅。」
「んー、会いたかった!」
「ごめんね、休んじゃって。」
「ほんとだよー!
寂しかったんだから!」
嫌いなはずなのに、話しかけてもらうと嬉しい。
やっぱり友達でいたいのかもしれない。
私は天の邪鬼だ。
「変わらないね。」
「何がー?」
「……んー、全部。」
「変なの。」
もしかすると、私の脳みそは熱でやられてしまったのかもしれない。
もう一度笑うと、雅は変な顔をした。
もうすぐ、春が来る。