月光
*紅の月光
「クラス替えの紙、もう張り出されてるかな?」
「この時間ならもう出ていてもおかしくないよ。」
「緊張するー!」
中学三年生に進級した私は、今年こそクラス運がついていることを本気で願っている。
たぶん、私が学年で一番本気で思っているはず。
隣にいるユキと凛ちゃんの話はどうでもよかった。
とにかく、今年は居心地のいいクラスになれればいい。
出来ることなら、もう一度美沙や結子、瑠花と同じクラスになりたい。
「あ!あるよ!」
「あたしテニス部一人だー」
「うちもだ」
「華夏は?」
「……私は……、あ!
……やったあ。……美沙と同じクラスだ……!」
「いい感じ?」
「うん、最高。」
「いいなあー」
「良かったよ……」
そのあとは少しだけ三人で話してからそれぞれの教室に入った。
「おはよう」
「おはよう、美沙」
「同じクラス、なれたね!」
「本当によかった!」