深紅の薔薇姫に愛を
傷着いてから、いくつもの時間が経った。だけど、あたしの心は成長なんてしてい
なかった。ただ、脆く。だだ、色あせている。
あたしが切った、深紅の薔薇のように……。あたしの心は枯れていく薔薇に似ている
あたしはどうすればいいんだろう。この街から逃げる?
じゃあ、どこへ行けばいいの?あたしに居場所なんてあるの?
随分と歩いた頃、なにかの声が聞こえる。
「……、離せよ!」
「いや、絶対に離さない……!」
それは、男女が言い争っているように聞こえた。
……男の人の声、聞いたことあるような気がする。
「璃麻、いい加減にしろよ!」
”璃麻”?!
あたしは、慌てて曲がり角を飛び出した。
そこで見えたのは……。璃麻という女の子が漣の腕を掴み、漣がそれを離そうとして
いた瞬間だった。しばらく、あたしは2人の言い争いを見入っていた。
すると、璃麻があたしに気がついたのか、あたしの顔をみて目を開いた。
「……あんた……」
細く呟いたようだけど、あたしの耳にはしっかり届いた。
……え、あたしのこと知ってるの?
…”薔薇姫”のこと?それとも、何……?
すると、彼女はあっさりと漣の腕を離し、代わりにあたしの肩を掴んだ。
「あいつを、友初(ゆう)を返して!」
彼女、璃麻はあたしに悲痛の叫びとも言えるその言葉を投げつけた。
その発言に、漣はものすごく驚いている。
友初って、誰なんだろう?あたし、『返して!』なんていわれるほど、男の人と仲
良くした覚えはない。
「……あの、意味わかんな、」
「わかんないわけないでしょ!」
あたしの声に覆いかぶさるように、璃麻はまた叫ぶ。
幸い、ここは公園だから注目もあんまりされていない。
「あんたが、友初を自殺に追い込んだのよ!」
璃麻が並べるその言葉に、漣はほんとうに驚いている。
自殺?ってなに?あたしはわからない……。
「ポカンとしてんじゃないわよ!如月友初よ!」
”如月”という言葉に、記憶が巻きもどる。
「……もしかして、如月先輩?」
なかった。ただ、脆く。だだ、色あせている。
あたしが切った、深紅の薔薇のように……。あたしの心は枯れていく薔薇に似ている
あたしはどうすればいいんだろう。この街から逃げる?
じゃあ、どこへ行けばいいの?あたしに居場所なんてあるの?
随分と歩いた頃、なにかの声が聞こえる。
「……、離せよ!」
「いや、絶対に離さない……!」
それは、男女が言い争っているように聞こえた。
……男の人の声、聞いたことあるような気がする。
「璃麻、いい加減にしろよ!」
”璃麻”?!
あたしは、慌てて曲がり角を飛び出した。
そこで見えたのは……。璃麻という女の子が漣の腕を掴み、漣がそれを離そうとして
いた瞬間だった。しばらく、あたしは2人の言い争いを見入っていた。
すると、璃麻があたしに気がついたのか、あたしの顔をみて目を開いた。
「……あんた……」
細く呟いたようだけど、あたしの耳にはしっかり届いた。
……え、あたしのこと知ってるの?
…”薔薇姫”のこと?それとも、何……?
すると、彼女はあっさりと漣の腕を離し、代わりにあたしの肩を掴んだ。
「あいつを、友初(ゆう)を返して!」
彼女、璃麻はあたしに悲痛の叫びとも言えるその言葉を投げつけた。
その発言に、漣はものすごく驚いている。
友初って、誰なんだろう?あたし、『返して!』なんていわれるほど、男の人と仲
良くした覚えはない。
「……あの、意味わかんな、」
「わかんないわけないでしょ!」
あたしの声に覆いかぶさるように、璃麻はまた叫ぶ。
幸い、ここは公園だから注目もあんまりされていない。
「あんたが、友初を自殺に追い込んだのよ!」
璃麻が並べるその言葉に、漣はほんとうに驚いている。
自殺?ってなに?あたしはわからない……。
「ポカンとしてんじゃないわよ!如月友初よ!」
”如月”という言葉に、記憶が巻きもどる。
「……もしかして、如月先輩?」