深紅の薔薇姫に愛を
「……まず、璃麻。話を聞かせて。」

幹部室に入ったあたしたちは、早速さっきの話を進めていた。

「……この女のせいで、友初は自殺したのよ!」

璃麻の気は、あたしを責めないと落ち着かないらしい。

「どういうこと、なんだ?麗薇。」

突如、あたしにもたらされた説明する権利。そうあたしに聞く漣の声は若干低くて

、冷たい。あたしの嫌いな”男の声”だった。

……怖くて、悲しくて、あたしの存在を否定されたみたいな声だ。

「あたしは、如月先輩とは少ししか関わっていないわ。」

みんなに分かるようにあたしは冷静に言った。だけど、震えが止まらないの。

憂いさんがさっきいってくれたこと。

この場面がどうもあの時と被ってしまいそうになること。

あのころののように、心が壊れてしまいそうなこと。

「…じゃあ、なんで-」

『なんで如月先輩は自殺したのか』。だろう。あたしもしらないのだ。、

「この女が友初を精神的に追い詰めたからよ。」

なによ、その勝ち誇ったみたいな笑い方は。

……やめてよ。そんなの、亜衣梨と同じじゃない。

下から上へとなにかがせりあがってくる。

璃麻がなにか言う度、遙真はあたしに厳しい視線を送ってくる。……みんなもそうだ

「あたしは、振っただけじゃない。それがいけないっていうならあたしはあの時ど

うすれば良かったのよ。」

もう、何もかもわからない。黒いナニカが渦巻く。

「もういいわ。」

あたしは俯いた。分からないんだ。全てが

あたしは幹部室を出て、居場所のないあの家に走った。今のあたしが逃げられる場

所は、そこしかないから。
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