深紅の薔薇姫に愛を
「やめろっ!今宮!」

イマミヤ。その名は聞いたことがある。

突然大阪から来たハズレ者で、急に蘭龍の総長を倒してしまったと。

………それに、琉が手助けしたことも。

流暢な関西弁は逆に恐怖を誘う。

「オウリュウのみなさんにはもーしわけないねんけどこっちも頼まれたからなぁ」

「誰に、何をだ。」

「誰にかはゆえんけど、薔薇姫をとりかえすっちゅー目的があんねん。」

「……それ、どういう……」

確かに、イマミヤが言うことは大河を十分に混乱させるだろう。

だって、イマミヤと琉が仲がいいのはシークレット。ふだんはとてつもなく仲が悪いとされているから。

あたしは我龍の元姫であったのに、今あたしを取り返そうとしているのは蘭龍。

薔薇姫と我龍の姫は別物であるから、余計に混乱がおこる。

クローゼットに隠れているとはいえ、ここは所詮倉庫。

声がとても響くのだ。


……ただ、いまあたしが最重要にしなければならないのは目の前の人物だ。

「どーこかーなー。麗薇?」

「……な、んで、琉が……」
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