深紅の薔薇姫に愛を
ポカンとするあたしに対し、彼は膝の上を軽くとんとんとした。

……これっていつかのときにした、膝にのれってこと?

「ちょっと、わかんないな……」

「膝枕だ」

そういって、強引にあたしの頭を漣の膝の上に載せた、、

「ちょ、漣?!」

「黙ってろ。つかれたんだろ?やすめ。」

命令口調に、なにも言えなくなる。ただ、彼に体をあずけた。

あたしのこめかみに来た指が、髪を撫でていく。

「これ好き…」

漣に頭を撫でられて、膝枕してもらうのは心地が良い。

「だろ」

少しふっと笑った漣。その顔も好き。すこしほころんだ顔。

「ねぇ、漣……」

彼の頬に、あたしの手を添える。

至近距離で高鳴る胸。

あたしはもう、漣という人間のトリコなんだ……。

「ん?」

髪を撫でながら、あたしが添えた手に彼も手を重ねた。

「ね、キスして……」

なんでこんなことねだったんだろう。

目の前の彼が愛おしくて、狂おしい。離れて欲しくない。

これってもう、好きなんだよね?

琉に抱いた思いとは少し違う。だけど、あたしはこのひとが好き……。

「…ぁ、ん」

はじめは優しいキスに翻弄される。優しいのに、どこか激しさを含んだキス。

琉とは違うキス……。

どんどん深くなっていく唇。いつしか、彼があたしの上に跨る体制でキスしていた

気づいたら、あたしは彼と舌を絡めていた。

擦れ合わせるたび、このひとがすきだと実感する。

もっと
もっと


とねだってしまう。


「 漣、好き……大好き」
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