深紅の薔薇姫に愛を
○遙真の過去
side 遙真
「聞いてよ。俺の過去」
なんで、こう口走ってしまったのだろう。
なんで、俺の過去を最初に話す女が麗薇なんだろう。
こいつは優柔不断で弱くて繊細で……たまによくわからない。
こいつはよく、『愛して』という。
麗薇は『愛して』というその一言に、沢山の願いを込めているんだろう。
だけど、俺はもう誰にも”愛して”とは言わない。
なんでそこまで愛を求めるのか。愛を欲するのか。
穏和にみえて、じつは冷たいところもあった。
第一印象は、せいぜい”あの女”と同じってこと。
超絶美少女だから、とかいってチヤホヤされてきたんだろうな。
金持ちなら、散々ワガママをいってしたいこと全部してきたんだろうな。
……そう思っていた。
時々垣間見た、あいつの素の姿。
触れれば壊れてしまいそうなぐらいに細くて。
『愛して』と懇願しているのに俺には『嫌わないで』と言っている気がした。
強いものにしか縋ることができなかった。
あいつだけが、俺の頼る道だったのに…。
『俺を嫌わないで』
『俺を置いていかないで』
『俺の存在を認めて』
子供はきっと、自分を否定されるのが嫌で、怖いんだと思う。
取り繕う様はまるで、”マスカレード”。
「___お前なら、俺を受け入れられるのかもしれない」
「聞いてよ。俺の過去」
なんで、こう口走ってしまったのだろう。
なんで、俺の過去を最初に話す女が麗薇なんだろう。
こいつは優柔不断で弱くて繊細で……たまによくわからない。
こいつはよく、『愛して』という。
麗薇は『愛して』というその一言に、沢山の願いを込めているんだろう。
だけど、俺はもう誰にも”愛して”とは言わない。
なんでそこまで愛を求めるのか。愛を欲するのか。
穏和にみえて、じつは冷たいところもあった。
第一印象は、せいぜい”あの女”と同じってこと。
超絶美少女だから、とかいってチヤホヤされてきたんだろうな。
金持ちなら、散々ワガママをいってしたいこと全部してきたんだろうな。
……そう思っていた。
時々垣間見た、あいつの素の姿。
触れれば壊れてしまいそうなぐらいに細くて。
『愛して』と懇願しているのに俺には『嫌わないで』と言っている気がした。
強いものにしか縋ることができなかった。
あいつだけが、俺の頼る道だったのに…。
『俺を嫌わないで』
『俺を置いていかないで』
『俺の存在を認めて』
子供はきっと、自分を否定されるのが嫌で、怖いんだと思う。
取り繕う様はまるで、”マスカレード”。
「___お前なら、俺を受け入れられるのかもしれない」