深紅の薔薇姫に愛を
「でも、あたしを傷つける必要ってあるの?」

接触なら、大河が遊んでる女の子でもいいはず。

なんで、わざわざあたしなんだろう。

「さらって、俺らを潰すためだ。」

初めて言葉を発した遙真の言葉は何故かいつもより低く感じた。

「で、あたしにどうしろって?」

「ここに住め。」

漣がとんでもないことを言い出す。

「住むぅ?無理無理。」

大体、こんなとこに住めるの?

お風呂は?トイレは?洗面所は?

パニックになるあたし。

「ここにいる俺たちは全員住んでる。」

じゃあ、さっき通ったたくさんのドアってそれ類ってことか。

「あたしの部屋とか、あるの?」

流石に、相部屋はきつい。

「ああ。」

その言葉に安心したのもつかの間。

「総長室だ。」

「え、総長室って総長が使うとこでしょ?

じゃ、それは漣が使ってて、であたしが漣の相部屋?!」

なんで、こうなるのー?

「麗薇、うっさい。」

千紘が耳を塞ぐ。

あ、ベットが2個あるとかかな?

「あたしはどこで寝るの?」

「俺のベットだ。」

じゃあ、漣はソファーかどこかで、寝るってことかな?

「漣はどこでねるの?」

「俺のベットだ。」

…………ベットでねる?

ってことは一緒にねるの?

「じゃあ、みんなはどこで寝てるの?」

漣とねる以外、あるはず!

「幹部の仮眠室だ。」

「あたしはそこでは……」

「ダメに決まってるだろ、」

あたしの言葉をさえぎって漣。
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