深紅の薔薇姫に愛を
女好きで、チャラチャラしてて、軽い。

……それは、あくまでも見た目の話だったんだな。

あたしが見た目で見られたくないと思うのに、あたしは彼らを見た目でしか見てい

なかった。

中身を見ようとしなかった。

あたし、これからちゃんとしなきゃ。



数分後。

大河が運んできたのはホカホカのペペロンチーノ。

そして千紘、千鶴、大河はオムライスだ。

ケチャップは適当にギザギザだ。

でも丁寧に見えて、笑えてきた。

「大河、いただきます。」

顔の前で手を合わせ、食べ始める。

フォークに絡ませ、口に含む。

口の中に香りが広がって、味がくる。

「……おい、しい。」

調理師免許を持っている、というのはホントらしくとても美味しい。

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