深紅の薔薇姫に愛を
「………凪沙?誰だよ、それ。」

あたしは漣の言葉に息が詰まる。

やっぱりあたしの感じた違和感は嘘じゃない?

「ナギのことじゃない?」

大河が思いついたようにいった。

「あ、あ。ナギか。」

漣も納得したようにいう。

”ナギ”と、”凪沙”は別人?それとも同一人物?

「あのね、麗薇。僕達は下っ端をあだ名で呼んでるの。」

千鶴のその言葉にナギが凪沙であるかもしれないと思った。

いや、そうであって欲しい。

あたしの、切なる願いだ。
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