深紅の薔薇姫に愛を
あいつは弱みを見せない。

でも、知ってる。

『オンナと遊ぶ』そういって席を開けた日、夜な夜な1人で路地裏に行き吐いている

ところを。

「漣、眉間のシワとれよ。」

俺にホカホカのコーヒーを差し出したのは、千紘だ。

何気にこいつには見透かされてる気がする。

「シワなんかよってねぇ。」

すると、千紘は笑い出す。

「んだよ。」

「変わってねぇーな。」

千紘は熱いマグカップを慣れた手つきで飲む。

「麗薇、たぶんどっかの族と関係してんじゃない?」

……確かに、俺らを見てフラバしたときから予想は着いていた。

「恐らく、”龍我”。……」

何倍も低い声の千紘。苛立っているのか。

「予想はついていた。やっぱりか。」

今日、暴走で倒れた麗薇。

しかも、連れ違った”あいつら”をみた瞬間だった。

あいつらの伝統である、扇形での暴走、

今日の暴走は公表していなかったのに。

………おかしい。

「反乱因子がいるんじゃないの?」

千紘も予想が着いているみたいだ、
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