深紅の薔薇姫に愛を
彼とのものが、残っているものがあるのは、ほんとに嫌だ。

「いらないのか?」

漣はあたしを心配ような目で見ている。

「うん。お腹すいてない」

すると、難なく納得してくれた。

元々、あたしはそんなにガツガツ食べる派ではない。

お腹がすいたら、それを満たすために食べる、

でも、お腹が、空かなかったら何日も食べない。

無理に食べられないんだ。

琉に裏切られたときも、あたしは1ヶ月ぐらいまともな食事をしていなかったとお

もう。

辛くて、生きられなくて、みんなあたしの、存在を否定する。

「お腹すいたら言えよ?」

「うん」

珍しく優しい言葉をかける千紘。そんな千紘ってなんだか気持ちが悪いんだけど。

でも、そんなことを言ったらきっと千紘は怒るから、あたしの胸のうちに秘めた。

漣はthe和食って、感じだ。ご飯にお味噌汁、鮭の塩焼き。

千鶴のご飯もそうっぽい。でも、遙真と千紘と大河はパンとスープ。

双子でも、やっぱり好みちがうんだ。

「あたし、シャワー浴びてくる。」

昨日はそのまま寝ちやって入れなかったんだっけ。

あたしはそれだけいって、総長室に向かった。

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