深紅の薔薇姫に愛を
繁華街とか、建物を過ぎて車はオシャレな建物の前に止まる。

「降りろ。」

漣の声が聞こえて、あたしは素直に従う。

みんなで降り、千鶴がその店の扉をあける。

綺麗な鈴の音が響く。

「いらっしゃい。待ってたよ。」

「……え、」

目の前に現れたキャラメル色の髪の男の人の顔をみて仰天する。

あれ、この顔千鶴と千紘じゃない?

でも、少し大人っぽい。

「どうも。千紘と千鶴の兄の千歳(ちとせ)です。」

「……あ、麗薇です。」

千紘千鶴兄はふわりとした雰囲気で、紳士的。身長は185以上はあるだろう。

「ここに座って。」

千歳さんは、あたしを連れて近くの席に座らせる。

お兄さんだから予約しなくてもいいんだ。……楽だな。

あたしはその席に座った。

「あの、セミロングぐらいで髪の色を変えて欲しいんです。」

あたしは鏡から合う千歳さんの目をみていった。

「髪は何色にする?」

千歳さんはあたしにエプロンみたいなのを被せてくる。

……ほんとにプロだな。

何色、か。栗色がいいって思ってたけど、キャラメルもいいな。

でも、キャラメルだと目立つよね。

「栗色でお願いします。」

あたしが答えると、千歳さんが準備をはじめる。

そして、千紘たちのほうを向いた。

「おい、千紘、千鶴。」

すると、千歳さんは財布をだす。

「麗薇ちゃんの服買ってこい。」

え、あたしの服買ってくれるの?まあ、変わるチャンスかもしれない。
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