Reaper..†
その傷が消えた途端、レインの傷が治る速度が遅くなる。
「…まさか…」
エミリーが何かを考え込むように、眉をひそめた。
「今まで、俺たち…レインに助けられてたんじゃないのか…?」
アランの言葉で、ピンときた。
…俺が呪いにかかっていた時。
呪いは心臓付近にかけられていたはず。
そしてそれは目が覚めれば解除されていたし、傷もなかった。
…そしてレインはいなくなっていて、俺じゃない血が辺り一面を染めていた。
その血で、俺は…
「なん、で…」
今見れば、誰かを血で回復させれば自分の回復は遅くなるのだろう。
自分の、俺がつけた傷は後回しで俺を先に助けた…?
だからあの時レインは俺たちの前から姿を消したのか…?
「レオンくん、落ち着いて。脈が乱れてるよ。」
サシャが俺の手首をつかみ、背中を摩る。
…血の海が、ここにいる皆の至る所の傷を治していくのをみて心臓が握りつぶされるような痛みを感じた。