Reaper..†
「前回はここら辺で戦闘があったんだ。ほら、この傷とか…戦闘の跡。」
路地裏の細い道は、壊れた木箱はそのままで両側の建物には深い傷が残っていた。
「こんな狭いところでよく戦えましたね…。」
沢山実践をしてきた俺でも、流石に狭いと能力を完全に発揮できない。
「A級だからな…頭はキレる。だからこちらに圧倒的不利な状況下で戦闘を挑んできた。…最後には誰かを逃がしたんだろう。」
その残党が今、勢力を拡大し街を襲おうとしている…と。
「まず、その街へ行きませんか?」
「あぁ、そうしよう。…こっちだ。」
ここら辺に来たのは初めてだったから、アランがいてくれて助かった。
死神討伐を頼まれて色んなところに行ったつもりでいたけど、世界は…いや、俺の視野が狭かっただけか。
「今から行く街は緑が豊富で…──」
「…隠れてください、アラン。」
アランの襟を掴み、壁に張り付いた。
「…どうした?」
死神の、臭いがする。
「死神です。」
…気を抜いてはいけない。