Reaper..†
「エミリー、僕ちょっと休むね〜。」
「あぁ。」
リアムと別れ、いつもレインがコーヒーを飲んでいる場所に立ち寄る。
「…ジルさん?」
そこには珍しくジルさんが座って読書をしていた。
「エミリー、どうしたの?」
「いえ…」
少し離れたところに座り、エシリアの焼いたケーキを食べる。
甘過ぎず、いつもエシリアの焼くケーキは美味しい。
「…エミリー、レインくんの具合はどうですか?」
ケーキを食べるフォークの手を止めてジルさんのほうをチラッと見ると、本を読む手は止めずにいた。
…なんだか様子がおかしい。
「大丈夫ですよ、ただの風邪みたいです。」
「そっか。医務室に運ばれたのが見えてね…怪我でもしたのかなと思って。」
コーヒーを飲み干し、本にしおりを挟んでジルさんは席を立った。