Reaper..†



「………」




いつもと同じようで同じではない、明らかに何かが変なジルさんが気になり、悪いと思いつつも今ジルさんをつけている。




「…研究室?」



ジルさんが今まで研究室に立ち寄ったところはみたことがない。

それもここは…立ち入り禁止とジルさんが言っていた地下。


「やぁ、みんなお利口さんにしていたかい?」


赤い何かが反射しているのが見えて、チラッと研究室を見てみると…







「…なんだ、あれは……」





ホルマリン漬けにされている人間が、ざっと見るだけで100はいる。




それも…赤い色…まるで血のように。




「んー…やっぱり薄めてはダメか…。やっぱり必要だなぁ。」



意味のわからないことを呟いているジルさんの横顔は、今まで見たことの無い顔をしていた。




「…目が覚めたんだね。」



その中でホルマリン漬けにされていない1人の女性がいた。


その女性の目は虚ろで、まるで人形のような継ぎ接ぎの片足と片手。





「ごめんね…綺麗に戻してあげられなくて。でも、あと少しで完璧に戻せるから。」



そう言ってジルさんは女性の額にキスを落とす。






「…待っててね。」





その笑みだけは、今までのジルさんと同じだった。






エミリーside end





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