Reaper..†


でも…“ジルさん”から何か言われたわけじゃない。



「いえ、本当になんでもないんです。ただ急ぎの用を思い出して…」


多分この嘘は見破られてる。


「…そうか。」


それでも手を離すレオンは、きっと俺のことを考えてくれたんだろう。



「ありがとうございます、レオン。」



エミリーから教えて貰ったあの場所へ行けば…少しはなにかわかるだろうか。




「こんな所があったなんて…」



CROWNの中は一通り見たつもりでいたけど、地下があることさえ知らなかった。





曲がり角のところにうつる異様な赤色の反射が、チカチカと切れかけの電球のようになっている。




「これは…」



目を疑った。


沢山のホルマリン漬け、中には人間1人入っているものもある。



目と口からホルマリンの液か、血を沢山の人が流している異様な光景。




「生きて…いるのか…?」



ガラスに触れると、目だけこちらを向いた。




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