Reaper..†



雨の日は死神の臭いが混ざってよくわからなくなるから厄介だ。



「…っやっぱりね、」



ゴミ袋を置こうと背中を向けた瞬間鎌を振り下ろした死神。



「なるほど…その姿は、今まで辞めていった人や失踪して行った人たちの姿ってわけね。」



死神はその中の一人に憑いたんだろう、人の顔、身体をしている。



「オまえニツイてヤる…」



…これは今までに何人もの人の皮を被ったんだろう、声が重なっている。



耳を塞ぎたくなるほどの声のトーンは、土砂降りになってきた雨の音でかき消された。




「…誰が憑かれるか。」



影で足を拘束し、身動きを取れなくすると諦めたのか死神はじっとして動かなくなった。




…と思ったのも束の間。





「レインくん、遅いから迎えに…きゃっ!」




「サシャ!!」





扉の近くにいた死神は出てきたサシャを捕まえた。



…拘束を外せ、と。






「こレでおマエはテをだせなイ。」



鋭い爪がサシャの首元にあてられる。




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